看護師は、医療施設や診療科目、何を専門としているのかなどで多種多様に活躍しています。一つの専門分野に特化した専門看護師もおり、中でも遺伝子疾患を専門とする「遺伝看護専門看護師」という資格があるのをご存知でしょうか。遺伝看護専門看護師は、専門看護師資格の一つで2017年に日本看護協会により認定されました。専門看護分野には、「がん看護」「感染症看護」などがあり、その一つとして「遺伝看護」が追加。遺伝看護専門看護師は、遺伝性疾患の患者や家族を支える役割を担っています。
専門看護師は、看護師としての実践経験が5年以上あり、日本看護系大学協議会が認定する教育課程修了後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できます。しかし、遺伝看護専門看護師の資格を取得できる教育課程がある大学は少なく、日本にはまだ数名しかいないのが現状です。そのため、まだどの診療科目で多く活躍しているかなどはまだ明確にはいえませんが、遺伝子を要因とする疾患の課題を世代を越えてケアしていくのが遺伝看護専門看護師の大きな役割であり、今後より期待される資格といえます。
また、遺伝子疾患のある患者や家族に対してケアをするポジションとして「認定遺伝カウンセラー」も存在します。認定遺伝カウンセラーは、実際に疾患のある患者が対象ではなく、これから遺伝性疾患になる可能性のある家族などもケアの対象となります。遺伝看護専門看護師も認定遺伝カウンセラーもどちらも遺伝子疾患の領域において重要な役割を担うポジションといえるので、この分野に関心のある方はチェックしておくと良いでしょう。